最高のチームを作るには。
多くの中間管理職がチームマネジメントの難しさを感じている。特に40代、50代ともなると、時代の変化に合わせた新しいZ世代(20代社員)とのコミュニケーションが難しいと感じることもある。自分自身の伝え方の問題なのか、部下の理解力の問題なのかと自問自答し、悩み、苦しみ、結果として常に緊張感を持って取り組んでいるようにも見える。
しかし、真のチームマネジメントの鍵は「お互いの信頼関係」にある。
コーチとしての役割に徹すること、部下たちの声に耳を傾け、認める姿勢、そして、リラックスした状態でのコミュニケーションが必要だ。
部下たちはその上司のリラックスした姿に人間的な一面を発見し、次第に心を開くようになる。そして、お互いの本音を共有し、お互いを認め合う関係性が築かれる。
このような信頼関係の中で、真のチームの力が生まれ、最高の成果を上げることができるのだ。
要するに、チームマネジメントの真髄は「弛緩の中における信頼関係のコミニケーション」にある。
ここでチームの成長過程を示したタックマンモデルという心理学の理論を紹介する。
例えば、新設されたばかりのチームと一定の期間活動を続けてきた成熟したチームとでは、リーダーの取るべきアクションや対応は異なってくる。
タックスマンモデル
1. 形成期 (Forming):
これは新たにチームが結成された時の段階。メンバー同士は互いのことをよく知らず、不安や緊張感が漂う。
2. 激動期 (Storming):
チームとしての活動が始まると、個々の価値観や仕事の方法の違いが明らかになり、衝突が生じやすくなる。この段階では、認識のズレや意見の衝突が表面化することが多い。
3. 規範形成期 (Norming):
衝突を乗り越え、時間が経つとチームは一つの方向性を持つようになる。メンバーはお互いの違いを尊重し、共通のルールや役割分担が確立されるようになる。
4. 実現期 (Performing):
チームとしての一体感が生まれ、メンバー全員が目標に向かって効果的に動けるようになる。この段階では、チームが最大のパフォーマンスを発揮することが期待される。
5. 終了期 (Adjourning):
プロジェクトの完了や環境の変化などにより、チームが解散の時期を迎える。この段階では、新しい目標や方向性を模索する動きが見られることがある。
残念ながら私が過去見てきたチームの殆どは激動期を超えられていなかった。実際、世の中に存在するチームの8割は激動期止まりとも言われている。

ではどうだろう、あなたのチームは今どこにいるだろうか?
仲は悪くも無ければそれほど良くもない。それなりに大人の関係は築けている。でもいまいちチームに一体感がない。。
ではなぜ多くのチームが激動期を超えられないのだろうか?
それは多くのマネージャーが、メンバーの意見が対立し始める激動期の段階を成長と進化の過程と捉えられずに関係修復に力を注いでしまうからだ。
あぁ良かった、今日もチーム内に衝突もなく、上手くマネジメント出来ていると勘違いする。 でも成果は全く出なければ、チームに一体感も生まれない。
そしてまた悩んでいく。。
チーム内の意見が対立し始める時、それはチームの【成長痛】だと理解しよう。だからコンフリクトを恐れずにリーダーとして、部下たちの心の奥底にある本音を引き出そう。
その為には上司は常にリラックスした状態で部下たちとオープンに対峙していく必要がある。
意見の対立による少々の揉め事が起きたとしても、まぁ大丈夫。と寛容な心で受け止めることが重要だ。そして部下たちの声に真摯に耳を傾け、認めて、信じて、任せてあげるのだ。
こうした健全な対立を乗り越えた先にはお互いの価値観、仕事に対する考え方の理解が急速に高まっていく。そして緊張から弛緩のコミニケーションへと変わっていく。
やがてチームは成長し、規範形成期を迎えていく。そして最高のチーム作りに向けたスタートラインに立てるのである。